木質の壁の前で火事がおこると・・・


木材は燃える建材です。では木を表面に張った壁の前で火事がおこると広く、その木材は燃え広がっていくのか・・・・・ということで実験をしてみました。

木材はスギで厚みが12mm、その裏に9mmの構造用合板。共に難燃性能を高めるための薬剤は全く注入していません。壁の幅は2m、高さは3m。そのすぐ前の床に50cm角のガスバーナーをおいて200kWの出力の火炎を発生させ、20分間火炎を継続しました。炎は揺らぐため高さは変化しますが、ガスバーナーの上端から約1m程度の高さまでは常に炎が存在する、いわゆる連続火炎域になっています。

観察しているとガスバーナーの幅、連続火炎域部分の木材は燃えているようですが上に、あるいは横に、焦げ付きは見られるものの延焼していかないことがわかります。

この状況から、天井に燃える材料が使ってあって、そこに火が付くと、炎が天井面を走るように拡がっていきますが、天井に燃えない材料が使ってあるならば、たとえ壁に可燃物である木材が使ってあっても、そこで炎がとどまって拡がっていかないと予想されることになります。居室で内装制限がかかっていても、条件付きながら、とくに難燃処理しなくても壁には木材が使えるようになっている、その理由がうかがえます。

この実験は天井がかなり高い位置にある状況、例えば体育館を想定して実験を行っています。体育館のように広い空間を持っている・天井が高い、そして燃えるものが少ない用途の建物の場合、仮に火災が発生したとしても、火災が拡がっていかないことを確認するために実施しました。木材の燃え方を知ることで、建物への木材の利用範囲が、より拡がっていくことを期待した実験です。

この実験は12月9日と11日、建材試験センター中央試験所(埼玉県草加市)にて実施しています。


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