令和5年度も、令和3年度・4年度に続き、林野庁補助事業「地域における非住宅木造建築物整備推進事業」を活用させていただき、お二人の講師をお招きし、学ぶ機会をいただきました。
まずお一人目は、慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治先生、テーマは「健康に優しく、地球に優しい 木材活用の二刀流効果」。
木材利用は「環境に優しい」、あるいは「健康に優しい」という話は、よく耳にするものの、具体的に‘どう優しいか’、設計側も、木材供給側も、曖昧な状況ではないか・・・ということで、このようなテーマで、先生にお願いいたしました。このお願いに対し、伊香賀先生からは、「地球環境」と「心と体の健康(ウエルネス)」の‘二刀流’、さらには「住宅」と「非住宅」の両面での‘二刀流’というかたちで、とご提案いただき、まずは「事務所・学校における木材利用の二刀流効果」、その後「住宅における木材利用の二刀流効果」という演題で、お話しをお聞きする貴重な機会をいただくことができました。
非住宅分野に関して非常に興味深かったのは、投資家の意識が変化しているとのお話で、環境問題に配慮していない企業には投資をしない、すると国内の大手企業はプライム市場から退出せざるを得ない状況にもなることから、日常の業務だけではなく、新たにオフィスビルを建設するにも、低炭素化を定量的に把握し公表しなくてはいけない状況になっているとのこと。近未来において、高層のオフィスビルが続々と木造化で計画されている背景を、伺うことができました。ただし、木造にしたからといって、‘環境に優しい’とは、今の段階ではならないとのこと、そのためには木質建材の製造段階での環境評価が、きっちり示さなければいけない・・・ここは木材産業界全体の緊急の課題であることも同時に把握いたしました。
伊香賀先生のお話、下記のように簡単にまとめてみました。先生はテレビの特番でも頻繁にお見かけしますし、またYouTubeにて、配信されていますので、ご興味のある方、是非、ご覧ください。

現在、伊香賀研究室では藤森照信先生が設計され、完成したばかりの防府市の事務所ビル(木造2階建て)の室内環境と、勤務する方々の健康面を調査中で、その結果には参加者全員興味津々・・・ただし、まだ施主さんにも結果のご報告はされていないということで、再度、建築主になっていただけそうな建築業界や木材産業関連業界以外の方々にも来ていただける、そんな機会を設けさせていただきたいと考えています。