梅雨明けした6月28日(土)、しばらく開催していなかった自主勉強会を開催いたしました。
まずは完成したばかりのカルスト森林組合の倉庫の見学させていただきました。10:30に集合、午後から講師をしていただく山口大学大学院創成科学研究科の清水先生にもご参加いただき、参加会員の自己紹介を、そしてそのあと、設計をされた佐波川の森を守る木造建築研究会の兼重会長に建物の説明をしていただきました。メインフレームには大断面の構造用単板積層材(略して 構造用LVL)が、使われ、接合金物には市販の製品が使用され、コスト削減の工夫がみられています。




その後、美祢市の市有林から伐採された木材が使用された美祢市美東総合支所(設計は 龍環境計画)に場所を移し、建物の見学をしたあと、自主勉強会を開催いたしました。


まず今年完成したばかりの美東総合支所と秋芳総合支所の構造材料の仕口・継ぎ手の加工を担当された防秋産業の秋山社長から、3Dの施工図ー加工図を使って加工形式と接合部の詳細をご説明いただきました。さらに柳井市に完成した弓道場や県外の木造施設を対象に、加工形式・接合方法のご紹介をいただきました。

次に事務局を務める原田より、LVLの製造方法と使用事例(ウッドワン美術館、やまだ屋おおのファクトリー、Port Plus等)をご紹介させていただきました。
そして本日の特別講師、清水先生から「中大規模木造建築物のこれから~EXPO2025大阪・関西万博の木造建築に見る可能性」というタイトルにて、大阪・関西万博での数々の木材を使用した事例を題材に、これからの木材利用の在り方について、次の3つのテーマでお話しいただきました。

1:といて 結ぶ・・・地球環境問題への配慮が必要になった今、「解築」(築く→使う→解く→そして築く)の重要性
2:軽く かるく・・・軽さは木材利用のアドバンテージになる(例えば広島駅近くの5階建てのビルは、軟弱地盤のため、軽さが求められ、木造が選択された)
3:よいデザイン・・・魅力のある木造を創るには 構造設計者だけではなく意匠設計者も関わっていくことが大事
山口大学清水研究室には、当会の賛助会員としてご参加いただくことをお願いし、山口県産材を主体とした木遣い促進に向け、ご教授いただくこととなりました。
今後も定期的に コロナ前の会の創設当時のように 自主勉強会の開催を開催してまいりたいと思います。