「民間部門主導の木造公共建築物等整備推進事業」の支援を受け、活動の再開!


 2021年9月、林野庁補助事業「民間部門主導の木造公共建築物等整備推進事業」(一般社団法人 木を活かす建築推進協議会が受託)を活用し、ワーキング活動を再開させることができました。2021年度は計3回、講師の先生をお招きし、山口の木を活かして山口に木造建築を建てるために、私たちが’なすべきこと’を考える機会をいただきました。

 第一回WSは、11月12日、澤田建設㈱本社キャンパスの会議室に、山口大学名誉教授の内田文雄先生にお越しいただき、これまでに会の自主勉強会に参加してきたオリジナル・メンバーが集結し、開催されました。ご講演のタイトルは・・・

「地域の木材を使って、地域の魅力あふれる建築をつくるために」

栃木県茂木町にて設計された「ふみの森もてぎ」等を事例として取り上げられ、町有林を使った建築物の実現に向け、設計段階での工夫、木材の調達方法、防耐火計画等の紹介をいただきました。木造化促進のポイントとして・・・

木造化の発意が重要

情報共有、協同・連携作業、ゆるやかな組織の推進体制づくりが必要

ご講演に続き、佐波川の森を守る木造建築研究会のメンバーが、これまでになんらかのかたちで関与した、山口県内に建設された木造建築物11事例を紹介。その後、参加者全員から、現在の仕事内容、非住宅建築物の木造化促進に対する意見、経験を通じての地域材利用に対する課題、佐波川の森を守る木造研究会の経験を通じての木造化の動き、地域材を使った木造化促進に向けての具体策として以下のような意見が語られました。

Kさん(設計者):将来のことを見据えると、まず地域に良い木を育てていくことが最も重要

Oさん(製材業):小郡幼稚園は、施主の希望を叶えるべく、設計士、県森連、大林産業等が協力し合って情報共有・連携を行い実施可能となった

内田先生:木造化は発注側の意識が重要。設計者は大変だが、地域がつながる。手間がかかるというところに達成感がある。木造建築は楽しいと思う人が増えてほしい。

Hさん(設計者):地域材の利用如何に関わらず、まずは施主に直に魅せる木造の事例を造ることが肝要。施主に木造をすすめるには説得する自信が必要であり、協力者と大規模構法の知識も必要。まずは木造建築物を造れば、事例ができ、そして提案が可能事務局H:防府・山口地域には、澤田建設のLVL・集成材・CLT、防秋産業の木造トラス、大林産業のATAで木造建築物事例あり。

Hさん(建設業):当会で、自分の専門以外の立場の人を知り、生の情報が手に入る。本日のような勉強会の機会を、可能な人はつくるべき。

Hさん(設計業):木造にするか否かは、予算が命なので、木材の仕入れ先、価格帯等がわかる窓口が必要(現在、山口県木材協会のHPにて 仕入先公開・見積依頼可能)内田先生:構造設計を営む大手の営業に負け、このままでは地域の木造技術が廃れてしまうのではないかと危惧している。

Hさん(設計者):木造で設計しようとしたとき、技術的にサポートしてくれる後ろ盾が必要。木材・建築全般の知識を持ったアドバイザーのような方が必要で、そういう人の教育も必要。

Oさん(コンサルタント):山口県は4地区に分けられるが、連携を図りながら、それぞれの地域で木材調達等に関する相談窓口が創設されることが望まれる。

 第1回WSを終え、地域材を活用した木造建築物促進に向けての結論

「3つのつくるを実現」

  •  機会に応じ手木造建築物を造り、紹介できる「実例をつくる」
  •  建築主やユーザー等に紹介・アピールできる「事例集をつくる」
  •  木造化・木質化、地域材活用等に関する「相談窓口をつくる」

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