7月30日、東京大学生産技術研究所柏キャンパス研究実験棟にて、NPO法人木の建築フォラム主催の公開フォラム「忘れられた大規模木造~戦前から戦後の新興木構造」が開催されました。新興木構造とは、戦前・戦時中に建てられた、近代的な構造計算のシステムを取り込んだ木造で、東京駅や軽井沢萬平ホテルが代表的事例となります。
まずは次のような方々からのご講演がありました。
1,松澤草汰(東京大学工学系研究科建築学専攻・修士課程)
「戦時下日本における新興木構造技術-日本への導入から発展、近年の研究動向まで」
2,若村耕平(JR東日本ビルテック株式会社)
「東京駅丸ノ内本屋戦災復興工事における新興木構造における木造小屋組」
3.家頭晶子(一般財団法人呉YMCA)
「呉YMCAたてもの語り-旧海軍施設を人の集う場所に-」
4,樫原節男(空間設計事務所 代表)
「広島東城ヤマモトロックマシン工場・旧自治量建物その時代」
講演の後、腰原幹雄教授の司会によりパネルディスカッションが開かれ、解体されることなく維持していくための課題や具体的な対策が議論され、最後には眠っている新興木構造の掘り起こしへの協力を、参加者に呼びかけられました。
また講演とパネルディスカッションの間の休憩時間には、実験棟内に保管されている、解体された東京駅の木製トラスの見学も行われました。