10月13日、愛媛県CLT普及協議会の主催により「木造建築物の結露のメカニズム及び具体的な対策方法等について」というテーマで、設計者等を対象とした講習会が開催されました。講師は足利大学の齋藤宏昭教授。齋藤先生からは、まず木造建築物の耐久性能に大きく影響する雨水に対し、軒の出の効果、多発するベランダのパラペット周りの漏水、具体的な対応策について、説明されました。次に建築物省エネ法等の施行・改正により、建築物には、より高い断熱性能が求められるようになっていますが、その時の気密性、漏気に対する配慮が、木造建築物の耐久性能に影響する旨のお話があり、具体的な対応策についての説明の後、演習問題も提出されました。
最後に質疑回答の場が設けられました。建物の形状が複雑になった場合におこりうる漏水と結露、実際に発生した場合の区別はできるのか等の質問が出されました。また、近年、木造建築物においても中高層化がみられるようになっており、構造・防耐火の面では技術開発が進んでいますが、耐久性能に影響する気密性や漏気の問題については、あまり議論が進んでいないことへの懸念等が話し合われました。
愛媛県CLT普及協議会では、毎年、3回のペースで、このような講習会が行われています。今年度は「耐久性能」にスポットをあて、第三回目は2月ころ、「防水」をテーマに開催される予定です。