長崎まで新幹線が開通し、長崎駅周辺はすっかり様変わり。かつてはJRの改札口を出てすぐに路面電車の電停がありましたが、長崎駅前の電停は改札口から200mくらい離れた位置になっています。それをつなぐアーけードの屋根が木造で架けられました。




材料はスギの構造用製材、部材寸法は90×180の2枚合わせで、部材の長さは4mを超えているので、継ぎ手位置を互い違いにしてつなぎ、下図のようなシザートラスで構成されています。


設計当初は「上小節」となっていましたが、「上小節」であるかの判断は基準が曖昧なためクレームになることがよくあります。そこで設計者に、愛媛県久万高原町に足を運んでいただき、木材市場や製材所を見ていただき、どの程度の材料をイメージされているか、伺ったことがあります。そしてそのお話を踏まえ、木工事の概算をチーム愛媛にて提出させていただきましたが、最終的には大工の手配が難しいという状況もあり、チーム愛媛での受注は断念、結果的に日田市の機械等級区分にてJAS認証を取得されている製材所(大分県立武道館の構造用製材もすべて供給)で材料の供給が行われました。使用されている材料を見ると、当初伺った表面の品質とは異なるようですが、金額的要素があったものだと推察されます。

設計は出島表門橋設計のネイ&パートナーズで行われています。