構造上主要な部位に使う構造用製材の含水率は?


 木造で建物を設計する場合、工法規定にそって計画していく必要があります。CLTパネル工法であれば、平28国告示第611号、枠組み壁工法であれば、平成13国告示第1540 号です。 では軸組み工法の工法規定は・・・・?

 基準法施行令第3章第3節の「木造」になります。

 使用する木質材料についてはそれぞれの告示に記載があります。例えばCLTパネル工法では下記。

 枠組み壁工法であれば下記。

 つまりCLTパネル工法や枠組み壁工法において構造耐力上主要な部位に使われる木質材料は「日本農林規格に規定する材料」となります。

 では軸組み工法の構造耐力上主要な部位に使用する材料についてはどうなっているか・・・・施行令第41条にはこう書かれています。

 つまり日本農林規格の材料の使用を義務化してはいません。

 ただ基準法第37条には次のように書かれています。

 ここには「日本農林規格に適合するもの」を使うことを義務付けています・・・・

 しかしよく読むと「国土交通大臣が定めるもの(指定建築材料)」は・・・と書かれています。構造用製材は指定建築材料ではないので、この条文は対象外になります。

 だからこそ、現在流通している構造用製材の内、日本農林規格制度によって格付けされた材料の割合は30%に満たない状況であるにもかかわらず、木造住宅に構造用製材を堂々と使える状況になっているわけです。

 ではどのような軸組み工法でも、日本農林規格に適合する材料を使わなくてもいいのか?

 基準法施行令第46条第4項では壁量計算により地震時・暴風時に発生する水平力に対する安全性を確認しなくてはいけないことになっています。

 しかし非住宅建築物では全体の壁量が減少する、積載荷重が大きくなる等の理由から、壁倍率7.0倍/m(力の大きさに換えると1.4ton/m)がMAXとなっている状況では、設計が困難になります。またラーメン工法の採用は、壁量計算では対応できません。さてそのときは どうするか?

 その場合は、壁量計算にかわって基準法施行令第46条第2項で建物の安全性を確認することを求めています。具体的には、昭62建告第1899号にそって建物の安全性を確認することになります。

 そしてこのルートで建物の安全性を確認する場合には、使用する材料は、下記の昭62建告第1898号に記載される材料の利用が必要条件です。

 そこには構造用製材の場合には、日本農林規格の内、目視等級区分または機械等級区分に規定されている材料であり、含水率は15%以下と記載されています。但し書きには含水率20%以下等の記載もありますが、これは伝統木造を意識したもので、現実的には「耐力が低下するおそれがないこと」の証明は、難しいと判断されます。

 木材は乾燥すると変形しますので、それに伴い様々なトラブルが発生する可能性が高くなります。すべての建築物が建築物省エネ法の対象になった今、住宅・非住宅共に、高断熱高気密が基本条件になってきます。そこで使われる構造上主要な部位に使われる系木質材料の含水率は、過去の調査から12%程度になることから、使用する材料が法的には日本農林規格に適合する木質材料でなくても、含水率15%を意識した設計が、これからの時代には求まられるように思われます。

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