LVL工場 in 日南町


今回、訪ねさせていただいた株式会社オロチは2008年に操業を開始され、スギ構造用・造作用LVLおよびヒノキ構造用LVLの認証を取得されています。場所は、町の面積の89%が森林である鳥取県日野郡日南町の日野川の森木材団地内で、少しユニークな会社名は、地元の神話として有名な八岐大蛇に由来。

LVL(Laminated Veneer Lumber)は、「工学的な手法によって強度性能を保証する工程」を経た木質建材であるEngineered Wood(EW)のひとつで、日本農林規格(JAS規格)では、単板積層材という呼び名になっています。大きな節や強度が期待できない低質部を除去することができ、3~4mm程度の単板の段階で乾燥していますので、構造工学的に信頼性の高く、寸法安定性に優れた木質材料となっており、多くの中大規模木造建築物に採用されています。

単板積層材(LVL)
LVLを梁に使った 日南町 道の駅 

製造は、まずロータリー・レースという機械により単板切削を行います。このとき丸太は回転させ桂剝きにより、直径3cmになるまで切削されます。単板はその後、乾燥させ、単板強度測定機(超音波伝播時間測定機)によりヤング係数を計測し、等級区分を行います。次に同じ等級区分の単板をスカーフ・ジョイントという方法で縦継ぎを行い、その後、接着積層して構造用LVLが完成します。

株式会社オロチは、地元の素材生産者や森林組合と協同で森の恵みを暮らしに役立つ製品を顧客に届けるためのネットワークを構築し、継続的に森の資源が活用できる取り組みを行われています。またLVL製造の際に出る端材や木屑、木の川などはLVL工場のバイオマスボイラーで燃料として、単板を乾燥させるための熱源や工場の電気に利用され、年間5,000トンのCO2排出量削減に貢献されています。

切削後の丸棒
丸太の桂剝き ロータリー・スライス
単板
単板強度測定機(超音波伝播時間測定機)
スカーフ・ジョイント
長尺プレス用模範 階段状の部分がスカーフ・ジョイント位置
LVLの原板 完成!

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