「さがの木の建築推進協議会」の視察研修会に参加させていただき、肥後杉(あやすぎ)の産地である熊本県山鹿市鹿北町の幸の国木材工業株式会社と株式会社工芸社・ハヤタに伺ってきました。
幸の国木材工業は、豊かな地元の資源を有効に活かすため、町や森林組合・製材業界一体となり設立された企業で、年間約20,000m3を製材されています。製材された構造材は、品質管理面で最も重要である乾燥を、確立された乾燥スケジュールの下実施され、その後併設されるプレカット工場にて、在来軸組工法の住宅用構造材として450棟から600棟/年の在来軸組工法の住宅用構造材を出荷されています。加えて羽柄材と合板のプレカットも行われており、工事現場に効率的に作業が行えるよう、かつ現場での廃材量を極力抑えるよう、一貫した生産体制がとられています。



また隣接する工芸社・ハヤタでは、人工乾燥された105mm角、120mm角または150mm角のスギやヒノキの機械等級区分された構造用製材を2段から5段に接着積層したBP材(Binding+Piling)を生産されています。接着重ね材は、2019年1月に日本農林規格の対象になっていますが、基準強度はまだ告示化に至ってはいない状況です。しかし工芸社・ハヤタでは建築基準法第37条第二号による木質複合軸材料(製材、集成材、木質接着成形軸材料その他の木材を接着剤によりI形、角形その他所要の断面形状に複合構成した軸材)として国土交通大臣の認定を取得され、すでに多くの中大規模木造建築物に採用されています。



今回の研修会は、大規模木造建築物への地域材活用に向け、不可欠と言われている「製材工場等の日本農林規格認証」をテーマに開催され、工場の視察の後、ディスカッションの場が設けられました。佐賀県からは総合建設業、設計事務所、製材所に勤められている方々が参加され、佐賀県内でも増え始めている中大規模木造建築物への地域産材利活用の促進に向け、活発な意見交換がされました。

