道の駅 ほうじょう ~地元の木材を地元の人たちの手で


名探偵コナンに会えるまち 鳥取県北栄町。4月25日、国道9号線沿いに道の駅「ほうじょう」がグランドオープンいたしました。

木造と鉄骨造の平面混構造の平屋、延べ床面積が1,000m2を超えていますが、燃えしろ設計をして準耐火建築物とすることで、延焼上支障のない防火壁を設けることなく、木軸がそのまま見える設計がされています。

産直品売り場とレストランの木質材料は、荷重を支えている斜め柱とその斜め柱で受けている横架材にはスギの構造用単板積層材(LVL)を、その他の長さが4mを超えない構造軸部材にはスギの構造用製材が使われています。スギは県内の森林から伐り出され、LVLは県内のオロチにて製造、構造用製材も森林組合を経由して製材→人工乾燥を県内の製材工場にて、そして加工も県内のプレカット工場で、建て方も県内の工務店にて行われた、まさに地産地消の見本のような建物になっています。その使い分けは、次のような点を考慮・・・

➀ 構造用LVLの燃えしろ寸法<構造用製材の燃えしろ寸法

② 構造用LVLは長さ9mまで生産可能、幅も120mm以上にできる、一方で構造用製材は、住宅の在来軸組工法で使われる規格寸法に配慮し、幅は105mmまたは120mmに限定、長さは4m以下

③ LVLの側面の特徴的な見え方を活かしたい

燃えしろ設計をするためには、構造用製材の含水率を15%以下にする必要があります。木材の供給側にとってなかなか厳しい条件となるこの含水率の問題・・・やはり木材の供給は地元からという希望もあり、早い段階で施主である北栄町と設計事務所間での協議の結果、構造用製材は分離発注というかたちをとり、1年間の猶予を設けて県の試験場の協力も受け、心配される過乾燥にも注意を払いながら、人工乾燥のスケジュールの見直しや品質管理体制の構築が行われています。まさに産学官の連携がうまくいった事例で、そこで得られたノウハウは今後も活かされると期待できそうです。

設計は センザキッチンの設計を行った NSP設計(広島県広島市)+アーク設計工房(鳥取県倉吉市)


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