2022年、横浜中華街に近い街並みに地上11階の木造建築物が誕生しました。設計・施工は大林組、木材使用量は1,990M3(内 構造材料が1,675M3)、CO2の固定量は1,652 tonーCO2です。

主要な構造材料として柱と横架材にはLVLが使われており、鋼棒を差し込み接着剤で固定するGlued in Rod(略してGIR)により柱勝ちの形で柱ー梁を十文字の形の整え、さらに2つの十文字の柱側には厚さ200mm、幅は柱と同じ寸法のLVLを、梁側には厚さ200mm、幅は梁と同じサイズの構造用合板を梁勝ちの形で工場で組み立て、これを現場に持ち込んで柱間の中心位置、横架材間の中心位置で繋いでいく構造形式になっています。


耐火構造の仕組みは、自社開発をされたオメガウッドの仕組みが柱と横架材に採用(上部4層は1時間耐火、下部7層は2時間耐火、ただし1階の一部に3時間耐火をPRも兼ね使用)、床と屋根はCLTで構成し、石膏ボードで被覆されています。
ただし避難安全検証法や難燃処理された木質材料により、木材を触れる、あるいは木材のやさしさに触れることのできる室内空間になっています。





構造材料であるCLTは見えない状況になっていますが、最上階の研修室天井には音響も考慮して穴付きのCLTが階段状に組まれ、昨年放映された「ナイン・ボーダー」というテレビドラマでは、この最上階が主人公である川口春奈の勤め先として撮影場所に使われています。
