あれから15年、震災のまちに建つ木造施設の数々


東日本大震災により無尽蔵の災害にみまわれた福島県の相馬、浪江、双葉町・・・。約15年の時を経て様々な施設が建てられており、そのいくつかは木造で、あるいは一部を木造で造られています。8月27日に視察した、その中のいくつかを紹介いたします。

 あぶくま信用金庫新本店。木造ではなく鉄骨造ですが、H鋼をカラマツ構造用集成材で包むことで、一時間耐火構造の認定を取得した複合部材が柱と梁に使われています。原ノ町のシンボル的な建物となっており、1階と2階は銀行機能となっていますが、3階と4階は市民の会合の場所としても利用されています。

小高交流センター。町の人々が健康促進の場として、子供たちの憩いの場として利用されています。躯体は鉄筋コンクリート造となっていますが屋根は構造用製材を使った木造となっており、在来軸組構法で使われる、いわゆる一般流通材が、構造力学を駆使して利用されており、独特の空間を生み出しています。

NIKOパーク。原子力発電所の災害によりしばらくは屋外で遊ぶことが憚られたこともあり、屋内で主に子供たちが遊べる施設として造られた施設のひとつ。予約制ですが、定員50名を超える申し込みを受けることもしばしば。木造部は大断面構造用集成材を使用し、柱脚部は異形鉄筋を挿入してエポキシ樹脂で固定するGlued in Rod(GIR工法)として曲げモーメントを負担できる半剛節とし、方杖と組み合わせることによって水平力の負担が図られています。

ふれあいセンターなみえ。会議室・調理室・図書コーナーを備えるふれあい交流センター、ボルダリング等が行える屋内アスレチック施設、いずれも木造でふれあい交流センターはGIR工法による2方向ラーメン構造で造られています。また隣接するトイレ棟はCLTパネル工法で造られています。

FUTATABI。東日本大震災・原子力災害伝承館に隣接する、完成したばかりのホテル。5階ての最上階が木造で造られています。15年前、大きな災害をもたらした海、いつもは穏やかなその海を眺めながら歓談し、あるいはスパやサウナで‘整える’施設となっています。また別棟で造られたライブラリーでは読書を楽しむ、あるいは夕刻になるとカウンターバーもオープン。設計施工は鉄骨系住宅メーカー。

GREVAおおくま。JR大野駅に隣接し、大熊町に新たな拠点をおきたい事業者向けの貸事務所や地元住民も使える多目的ホール、コワーキングスペース、貸事務所を備えた大型施設で、大手ゼネコンが開発した木質耐火構造部材等を利用することで耐火建築物の木造化が実現しています。

 地元の材料の材料を使って大手組織事務所やゼネコンだけではなく、地元の設計事務所、地元の雇用者が働く企業の手により、これからも多くの施設が建設予定(あるいは建設中)となっています。

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